この記事の結論
月額100万円以下の帯で検討されるロボットのリースを整理。月額リース料はメーカー・リース会社とも非公表のため、公式に確認できた本体価格と、料率が公表されない理由、見積り比較の進め方を解説します。
「ロボットリース 月1万円台」のように、思い切り低い予算感で検索してこのページにたどり着いた方もいるかもしれません。先に結論から書くと、本記事が扱う本体価格が数百万円以上する産業用ロボットやヒューマノイドについて、月額1万円台のリース料が公式に確認できた例は今回の調査ではありませんでした。もっと手頃な機種をお探しの場合は、当サイトの月額10万円以下のロボットリースガイドや月額50万円以下のロボットリースガイドのほうが実態に近いはずです。
本ページで扱うのは、その一段上、月額目安として100万円以下におさまることが多い価格帯で検討される機種です。ただし先に断っておくと、ロボットの月額リース料を機種ごとに一律で公表しているメーカー・リース会社は見つかりませんでした。そこで本記事では、根拠のない相場の言い切りをやめ、公式に確認できた本体価格や制度情報だけを出典つきで整理し、月額が非公表である理由と、実際の金額を知るための現実的な手順を解説します。
このページが対象とする機種帯
当サイトの価格帯ガイドは、月額10万円以下・50万円以下・100万円以下(本ページ)・それ以上(法人大型)の4段階で構成しています。本ページで取り上げるのは、教育・PoC向けの小型モデルよりも本体価格が高く、Boston Dynamics SpotやStretch、Unitree H2、LimX Oliのように本格的な商用導入や研究プラットフォームとして使われる機種です。
お読みいただく前に
本記事のタイトルにある「100万円以下」は、当サイトの価格帯区分(記事カテゴリ)の名称であり、各機種の月額リース料をメーカーやリース会社が公式に保証している金額ではありません。実際の月額は本文で解説するとおり非公表です。
対象機種と公式に確認できた価格情報
今回の書き直しにあたり、下記の各メーカー公式サイトを直接確認しました。結果として、月額のリース料を一律に公表しているメーカーは見つかりませんでした。一方、本体の一括購入価格を公表している機種もあったため、参考情報として区別して掲載します。
| 機種 | メーカー | 本体価格(公式・参考) | 月額リース料 |
|---|---|---|---|
| Spot(フル装備構成) | Boston Dynamics | 非公開(Contact Sales) | 非公表 |
| Stretch | Boston Dynamics | 非公開(Contact Sales) | 非公表 |
| H2 | Unitree Robotics | 29,900ドル〜(税・送料別) | 非公表 |
| H2 EDU | Unitree Robotics | 非公開(Contact Sales) | 非公表 |
| Oli | LimX Dynamics | 非公開(問い合わせ制) | 非公表 |
出典:Boston Dynamics公式「Spot」製品ページ、同「Stretch」製品ページ、Unitree Robotics公式「H2」製品ページ、LimX Dynamics公式「Oli」製品ページ(いずれも2026年9月16日確認)
唯一、価格が明記されていたのはUnitree H2です。公式ページの価格表には「H2 $29,900」「H2 EDU Contact Sales」とあり、標準モデルのみ本体価格(税・送料別)が公開されています。(出典:Unitree Robotics公式「H2」製品ページ)同じページでは、身長1,820mm・重量約70kg(バッテリー込み)・自由度31軸・最大関節トルク360N・m・演算チップ2070TOPSという仕様も確認できます。研究・産業実証向けの本格的なフルサイズヒューマノイドという位置づけは、価格からも裏付けられます。
参考までに、同社の廉価モデルUnitree G1は本体価格1万3,500ドル〜(税・送料別)が公式ページに明記されています。(出典:Unitree Robotics公式「G1」製品ページ)1ドル=155円前後(2026年9月16日時点の目安レート、為替は日々変動)で単純換算すると、H2の本体価格はおよそ460万円台、G1はおよそ200万円台になりますが、これは税・送料・輸入コストを含まない当サイトの参考計算であり、公式な確定額ではありません。国内でリース契約する場合の総額は、リース会社が別途算出する金額を確認する必要があります。
Boston DynamicsのSpot・Stretch、LimX DynamicsのOliについては、公式サイトのどのページを確認しても価格表は掲載されておらず、「Contact Sales」または問い合わせフォームへの案内のみでした。Spotの国内での取り扱い状況は当サイトのSpotリース月額相場の実態|価格非公開と国内正規窓口で詳しく解説しています。
なぜ月額リース料が公表されていないのか
公益社団法人リース事業協会は、ファイナンス・リースの月額リース料について「物件価格、金利、固定資産税、保険料(動産総合保険等)、リース会社の管理費・利益が含まれ、これらの合計をリース期間の月数で割ったものが、毎月の支払リース料となる」と説明しています。(出典:公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」)同協会はさらに、ファイナンス・リースがユーザー・リース会社・サプライヤーの三者間取引であり、リース会社がユーザー指定の物件をユーザー指定のサプライヤーから新たに取得して契約対象にする仕組みだとも説明しています。つまりリース料は、物件ごと・契約ごとに個別算出される原価積み上げ型の価格であり、機種横断で一律に決まる定価は存在しません。
月額リース料の計算式(リース事業協会の説明)
月額リース料 =(物件価格+金利+固定資産税+保険料+リース会社の管理費・利益)÷リース期間(月数)
この式の右辺にある金利・保険料・管理費・利益は、利用者の信用力(審査結果)、契約時点の市場金利、リース期間の長さ、保守をリース料に含めるかどうかで変動します。ロボットのように本体価格が数百万円から数千万円まで幅広く、かつ国内での実運用データがまだ少ない機種ほど、これらの要素による個別差が大きくなりやすいと考えられます。費用の内訳や会計・税務上の扱いをより詳しく知りたい方は、当サイトのロボットリース費用の内訳と決まり方にまとめていますので、あわせてご確認ください。
補助金でリースの負担を抑える選択肢
この価格帯のロボットでも、条件を満たせば補助金を活用できる場合があります。中小企業省力化投資補助金の事務局は、2024年12月12日(木)付の更新履歴で「ファイナンス・リース取引の申請受付開始」という制度変更を公表しました。(出典:中小企業省力化投資補助金事務局「更新履歴」2024年12月12日)制度概要ページでも「ファイナンス・リース取引を利用して省力化製品を導入することが可能です」と明記されています。(出典:同事務局「制度概要」)
対象となる製品カテゴリや申請要件は年度ごとに見直されるため、本記事では金額の目安は示しません。最新の公募要領と対象製品カテゴリは、当サイトのロボット導入で使える補助金・助成金一覧で随時更新しています。リース会社と共同申請する場合の追加書類や注意点は、前述のロボットリース費用の内訳と決まり方で解説しています。
この価格帯が検討される主な用途
本記事で挙げた機種の公式サイトでの紹介文を見る限り、想定用途にははっきりとした違いがあります。SpotはプラントやインフラのInspection(点検)自動化、StretchはWarehouse Automation(倉庫の荷役自動化)向けに設計されており、いずれもBoston Dynamics公式サイトの製品カテゴリに明記されています。Unitree H2・LimX Oliはフルサイズの汎用ヒューマノイドとして、研究プラットフォームや実証実験での採用が想定されています。用途別にまとまった情報は、当サイトの物流倉庫向けロボット リース完全ガイドや研究機関向けヒューマノイドプラットフォーム リース完全ガイド、Unitree G1 リース完全ガイドでも取り上げていますので、用途が固まっている方はそちらもご参照ください。
なお、本記事で紹介した機種よりさらに本体価格が高いApptronik ApolloやFigure 02、Atlas Electricなどについては、当サイトの法人大型ロボットリース完全ガイドで扱っています。予算感が本ページの想定より上振れしそうな場合は、そちらもあわせてご確認ください。
実際の月額を知るための手順
ここまで見てきたとおり、この価格帯のロボットについても、月額リース料を機種横断で示した公式な相場表は見つかりませんでした。出典のない「月額◯万円が目安」という言い切りは、根拠のない目安である可能性が高いといえます。正確な金額をつかむ現実的な方法は次の手順です。
- 導入したい機種・オプション(アーム、クラウド連携、追加センサー等)を具体的に決める
- 希望するリース期間と、保守・メンテナンスを含めるかどうかを整理する
- 同一条件で複数のリース会社・正規代理店に見積りを依頼する
- 見積り比較の際は、月額だけでなく中途解約条項・再リース条件もあわせて確認する
見積り依頼前に準備すべき項目はロボットリース見積もりの取り方ガイド、審査で見られるポイントはロボットリース審査の基準と通過のコツ、契約締結までの流れはロボットリース契約の流れと必要書類でそれぞれ解説しています。
よくある質問
本体価格が高額な産業用ロボットやヒューマノイドでも、契約期間や信用力によっては月額が100万円以下に収まる見積りが出ることはあります。ただし料率は公表されていないため、実際に100万円以下になるかどうかは複数のリース会社に見積りを依頼しないと分かりません。
本記事で扱う本体価格が数百万円以上する産業用ロボットやヒューマノイドについて、月額1万円台のリース料が公式に確認できた例は今回の調査ではありませんでした。より低価格な機種を想定している場合は、当サイトの月額10万円以下のロボットリースガイドや月額50万円以下のロボットリースガイドもあわせてご確認ください。
Boston Dynamicsの公式サイトでは、SpotもStretchも本体価格・リース料とも公開しておらず「Contact Sales(要問い合わせ)」の案内のみです。国内での取り扱い状況は当サイトのSpotリース記事で詳しく解説しています。
Unitree公式サイトでは、H2の本体価格を29,900ドル(税・送料別、2026年9月16日確認)と公表しています。上位モデルのH2 EDUは価格非公開で要問い合わせです。この価格は一括購入時の本体価格であり、リース契約の月額はリース会社が別途算出するため、この金額から単純計算できるものではありません。
公益社団法人リース事業協会の説明によれば、リース料は物件価格・金利・固定資産税・保険料・リース会社の管理費や利益を積み上げて物件ごとに算出されます。ユーザー、リース会社、サプライヤーの三者間取引で個別に条件が決まるため、業種や機種で一律の相場表は存在しません。
中小企業省力化投資補助金は2024年12月12日からファイナンス・リース取引での申請受付を開始しています。対象製品や申請要件は毎年度変わるため、当サイトの補助金・助成金一覧ページで最新の公式情報をご確認ください。
導入したい機種・付属設備・希望リース期間・保守の要否を明確にしたうえで、複数のリース会社や正規代理店に同一条件で見積りを依頼して比較するのが唯一の現実的な方法です。見積り依頼前の準備は当サイトの見積もり取得ガイドで解説しています。
まとめ
- 「月額100万円以下」は当サイトの価格帯区分の名称であり、各機種の月額リース料が公式に保証された金額ではない
- Boston Dynamics Spot・Stretch、LimX Oliは公式サイトで本体価格・リース料とも非公開(要問い合わせ)
- Unitree H2は本体価格29,900ドル(税・送料別)を公式に公表。ただし一括購入価格であり、リース月額とは別(出典:Unitree Robotics公式)
- 「月1万円台」のような低価格帯の検索意図には、本ページの対象機種は当てはまらない。当サイトの月額10万円以下・50万円以下ガイドの方が近い
- 月額リース料が個別算出される理由は、リース事業協会の説明する三者間取引・原価積み上げ型の価格構造にある
- 中小企業省力化投資補助金は2024年12月12日からファイナンス・リース取引が対象
- 正確な月額は、複数のリース会社・正規代理店から同一条件で見積りを取得して比較する以外に把握する方法はない
出典・参考情報
- 公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」
- 中小企業省力化投資補助金事務局「更新履歴」(2024年12月12日:ファイナンス・リース取引の申請受付開始)
- 同事務局「カタログ注文型 制度概要」
- Boston Dynamics公式「Spot」製品ページ
- Boston Dynamics公式「Stretch」製品ページ
- Unitree Robotics公式「H2」製品ページ
- Unitree Robotics公式「G1」製品ページ
- LimX Dynamics公式「Oli」製品ページ
最終更新日: 2026年9月16日。価格・制度は変更される場合があります。必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事のドル円換算は目安レート(1ドル=155円前後)による当サイトの参考計算であり、公式な確定額や為替レートを保証するものではありません。実際のリース費用は必ず複数のリース会社・正規代理店の見積りでご確認ください。
本記事の監修:齊木祐介(株式会社ASI 代表取締役)
AI・ロボティクスの導入支援やリース活用支援など複数事業を統括し、実務で得た知見をもとに本サイトの情報を監修しています(運営:株式会社ASI)。